警察官になるまで

【実録】「仕事をするな」と上司に怒鳴られた元日の話

2026年1月5日

「いいか、今日は絶対に仕事をするなよ。」

警察署の朝礼で、上司から真顔でそう告げられた元日の朝。 新人警察官だった私は、耳を疑いました。「仕事をするな? 警察官なのに? もしかしてお笑いのフリ?」20年経った今でも忘れられない、あの奇妙な命令

今日は、私が現場1年目に経験した、お正月の「正義」と「組織の都合」がぶつかり合った、苦くて少し笑えるお話をお届けします。

1. 交番にいるのに「仕事をするな」という上司の言葉

それは、警察学校を卒業した現場1年目のことでした。当時の勤務形態は「三交代制」。当直→非番→週休というサイクルで毎日を慌ただしく過ごしていました。当然、お正月も関係ありません。
その年の元日は、ちょうど当直「三が日も休めないなんて、これこそ警察官だよな……」と洗礼を受けていた私。 そんな元旦の朝礼(配置・教養)の際、上司から言われたのは、

「今日は仕事をするなよ」

という不思議な命令でした。新人の私からすれば「え、じゃあ何のためにここにいるの?」
という違和感しかありません。 「これは社交辞令かな?」「それとも、お笑いの『フリ』かな?」私はそう勝手に解釈することにしました。

2. 目の前に現れた「5人組の男の子」

朝礼も終わり、いざ交番へ。元日の住宅街は人気がなく、とても穏やかな時間が流れていました。
そんな中、街中を自転車で走る5人組の少年たちが現れます。

私は仕事をするためにここにいるんだ!」
「元日から被疑者検挙ができたらお手柄だぞ!」

私は、正月早々勇気を出して彼らに声をかけました。彼らはお正月ツーリングの真っ最中。突然の職務質問にもとっても楽しそうに、快く応じてくれました。自転車の防犯登録などを確認させてもらい、結果、怪しい点は何もありません。 「よし、職務を全うしたぞ!」私は満足感に包まれていました

3. 署に戻ってからの、想定外の叱責

ところが、署に戻った私を待っていたのは、上司の怒鳴り声でした。

「仕事をするなって言っただろ!もしこれで捕まえたらどうするんだ!」


……えっ?

普段はあんなに「犯罪検挙」にうるさい上司が、何を言っているの!? 職務質問の数が少ないだとか、交通違反切符をもっと切ってこい、と一睡も出来なかった当直明けにも残業でパトロールさせたれたりしていたのに!犯罪があったら捕まえるのが警察官じゃないの?もしかして、犯罪を見逃してもいいってこと!?

私の頭の中は完全にパニックです。

4. 「お正月の平和」という名の、警察の都合?

今思えば、上司が恐れていたのは、お正月のめでたい日に重大事件や面倒な手続きが発生して、署内の「平和(と自分たちの休息や体制)」が崩れることだったのかもしれません……。

現場の正義感 vs 組織の安定。

これは、警察官として最初にぶつかった大きな壁でした。

5. まとめ:あの時の「仕事をするな」の意味を考える

20年経った今でも、あの時叱られた衝撃は忘れられません。 警察官に必要なのは、ただ捕まえることだけなのか、それとも空気を読むことなのか……。ダチョウ倶楽部さんの「押すなよ!」的なフリだと思って、全力で「押して(仕事して)」しまった私の完敗でした。


あぁ、あの朝礼は、お笑いのフリじゃなかったんだなぁ。



警察官の仕事は、正義感だけでは割り切れないことや、教科書には載っていない「現場の空気感」との戦いでもあります。

こんな矛盾だらけの警察組織ですが(笑)、それでも警察官になりたい!という熱い志を持つ方のために、現在『合格ロードマップ』を執筆中です。近日公開するのでお楽しみに!




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現場の理不尽に耐える日々でしたが、たまには華やかな行事の裏方もありました笑。テレビの裏で私たちが何をしていたか、こっそり教えます!

  • この記事を書いた人

omi

小学校の頃からの夢を叶えて警察官に。 ある県警察で12年間、警察学校、交番勤務、広報県民課(音楽隊)、生活安全課と歩んできました。現在は結婚・妊娠を機に退職し育児奮闘中。 「当時のリアルな裏側」を女性目線でブログに綴ります。

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