【元女性警察官が暴露】刑事ドラマは嘘だらけ!?警察手帳の「命より重い」リアルな裏側
ドラマや漫画で刑事さんが警察手帳をガサゴソ取り出す、おなじみのシーン。

クールでカッコいい!
…と思いきや、実は元警察官からすると、それは

超〜絶、ありえない!
と叫びたくなる、違和感MAXの光景なんです。
刑事ドラマの「内ポケット」はNG? 警察手帳は命より重い!
皆さん、想像してください。
スーツの内ポケットから、いかにも「できる刑事」って感じで警察手帳をシュッと取り出すシーン。
あれ、冷静に考えると、単にポケットにポイッと入れているだけですよね?
警察官は、絶対にそんなテキトーなことはしません。脱ぎ着するスーツの上着はもちろん、バッグの中に入れることすらありません。
なぜなら、警察手帳は
「落としてはいけない」
「失くしてはいけない」
という、命より重いアイテムだからです。
元警察官の私がいた警察署では、仕事が終わったらすぐにロッカーへ直行し、鍵をかけて保管するのが当たり前でした。
自宅に持って帰る人はほとんどいません。
なぜなら、万が一紛失したら、それは大事件!
失くした本人だけでなく、警察署員全員が血眼になって探し続けることになります。ニュースになるほどの騒ぎになり、最悪は懲戒処分。
そして、犯罪に悪用されるリスクもある。

そんな「地獄絵図」は誰も見たくないわけです。
なんなら、お酒の席に警察手帳を持って行くなんて、もってのほか。もし居酒屋に忘れてでもみたら、翌朝の全国ニュースは間違いなし。
警察官にとって、警察手帳は、肌身離さず、しかし肌身から離れすぎないように厳重に管理しなければならない、一種の「お守り」なんです。
警察手帳は「身体に固定」が常識! ズボンに結びつけられた運命の紐
では、本物の警察官はどのように持ち歩いているのか?
答えは、

身体に固定する!
です。
警察手帳には、まるで運命の赤い糸のように紐が結び付けられています。
この紐を、ベルトとズボンのベルトループにしっかりと「結着」することが義務付けられているんです。
手帳本体はポケットに入れますが、紐でがっちり固定されているので、もしポケットからポロッと落ちても大丈夫。警察手帳は身体から離れることはありません。
ちなみに、この結着を「面倒くさい」とサボって失くす人がいる…というのは、ここだけの秘密ですよ。
制服の場合は、さらに進化しています。ポケットの中に「隠しポケット」があり、その隠しポケットに紐を結着して手帳を収納します。
まるで忍者やスパイが使う秘密道具のように、外部から見えない場所でしっかりホールドされているのです。
見えない苦労? 警察手帳のリアルな不便さ
しかし、完璧に見える警察手帳の携帯方法にも、地味な不便さはつきものです。
手帳をズボンのポケットに入れていると、夏場は手帳の形に沿って蒸れてしまったり、手帳自体が固いので座る時に邪魔だったりします。
さらに、ズボンの生地が手帳の形に擦れて、穴が開くこともあるんです。
見た目のスマートさとは裏腹に、警察官の足元には、そんな隠れた苦労が詰まっているんです。
本物を見分けるなら「警察手帳」を見せてもらうべし!
もしも街中で
「この人、本物の警察官かな?」
と少しでも疑問に思ったら、遠慮なく警察手帳の提示を求めてみましょう。業務中の警察官は必ず手帳を持っていますし、提示する義務もあります。
手帳には、制服姿の写真、階級、そして名前が記載されています。

しっかりチェックすることで、本物かどうかを見分けることができます。
余談:警察手帳の写真、まさかの写り事件
余談ですが、警察手帳の写真は、警察学校に入校中に撮影されたものが使われます。
更新されるのは、昇進や結婚などで記載内容が変わる時だけ。
元警察官の私の場合、警察学校で撮った初めての写真が、あまりにも写りが悪すぎて、
「これ、本当にあなたなの?」
と疑われたことが何度もありました。
まさか警察手帳の写真で、自分の身元を疑われるとは…警察官として想定外の事件でした!