警察官になるまで

警察官になる夢、どこで叶える?元警察官が語る、将来を見据えた受験先の選び方

2024年9月22日

警察官になるにはどうすればいい?意外と知らない「2つのルート」と「落とし穴」を元警察官が徹底解説!

「警察官になりたい!」

そう思ったら、まず最初に何をしますか?

警察官のドラマを見る?
筋トレを始める?

もちろんそれも大事ですが、まずは

「どうやったら警察官になれるのか」

その根本的なルートを知ることが何よりも肝心です! 漠然とした憧れだけで進むのではなく、具体的な道筋を理解することが、夢を現実にする第一歩となります。

実は、警察官になる道は大きく分けて2つのルートがあります。

あなたの学歴やライフプランによって、選ぶべき道が変わってくるんです。


警察官になるための「2つのルート」ってこれだ!

警察官への道は、シンプルに最終学歴によって受験できる試験が分かれています。

  1. 大学を卒業(または卒業見込み)で採用試験を受ける
  2. 高校を卒業(または卒業見込み)で採用試験を受ける

これら2つのルートを通じて、あなたは警察官への第一歩を踏み出すことになります。それぞれのルートで求められる知識や試験の内容に若干の違いはありますが、どちらの道を選んでも、警察官としてのキャリアをスタートさせることが可能です。

警察官は地方公務員なので、それぞれの都道府県が独自に採用試験を行っています。

つまり、「私は〇〇県の警察官になりたい!」という希望があるなら、まずはその都道府県警察のホームページをチェックしてみましょう。試験の募集要項や日程、受験資格などが詳しく記載されています。

採用試験は年に1〜2回程度、定期的に実施されていますよ。

時期によって募集職種や条件が異なる場合があるので、見逃さないよう常に最新情報を確認することが大切です!

例えば、日本の首都・東京を管轄する警視庁の令和6年度の試験日程を見てみましょう。その規模ゆえに、採用人数も多いことで知られています。

  • 第1次試験日
    • 大学卒業または卒業見込みの場合: 4月13日(土)、9月15日(日)
    • 高校卒業または卒業見込みの場合: 9月14日(土)、翌1月12日(日)

(引用元:「警視庁ホームページ/採用情報」)

※詳細な情報は、必ず警視庁公式ホームページでご確認くださいね。

試験内容や募集要項は毎年更新される可能性があるので、必ず最新の情報を確認するようにしましょう。


「地元愛」か「都会の刺激」か?勤務地選びの「落とし穴」と「生涯のキャリア」

私は地元であるK県で警察官になりたいと決めていたので、他の都道府県警察のことはあまり深く考えませんでした。

しかし、中には

「地元を離れて、都会でバリバリ働きたい!」
「あのドラマの舞台になった場所で働きたい!」


と、あえて他の都道府県の警察官になる人も少なくありません。

どちらを選ぶかは、あなたの人生設計に大きく関わってきます。

ここで知っておいてほしいのが、地方公務員である警察官の「異動(転勤)」のルールです。

警察では、県内での転勤を「異動」と言いますが、基本的に異動はあなたが採用された都道府県の範囲内でしか行われません。これは、警察官という職務の特殊性と、地域に根ざした活動が求められる地方公務員の特性によるものです。

例えば、もしあなたが福岡県警に採用されたら、基本的には福岡県内でしか異動はありません。どれだけ「やっぱり東京で警察官がしたい!」と思っても、現在の所属を辞めて、警視庁の採用試験をもう一度受け直すしかないんです。

せっかく苦労して警察官になったのに、またゼロから採用試験の勉強をし直し、厳しい競争を勝ち抜くのは、正直かなり大変ですよね。時間も労力もかかる、まさに「大きな回り道」になるでしょう。

だからこそ、最初の受験地選びは非常に重要なのです。


警察官を辞めても、もう一度なれる?「再採用」のリアルと複雑な現状

一度警察官を辞めた人が、結婚、出産、育児、介護などのライフイベントや、その他の事情により、もう一度警察官として働きたいと思った場合、「再採用選考」という制度があることをご存知でしょうか?

警視庁の場合の再採用選考は、以下のようになっています。

  • 警視庁警察官の再採用選考情報
    • 結婚、出産、育児、介護、その他の事情により警視庁警察官を退職した人で、以下の要件を満たす人
      • (1)警視庁警察官として勤務した年数が5年以上である人
      • (2)昭和39年4月2日以降に生まれた人
    • ※「警視庁警察官を退職して10年以内である人」という要件を廃止しました。

(引用元:「警視庁ホームページ/再採用選考」)

※詳細な情報は、必ず警視庁公式ホームページでご確認ください。

注目してほしいのは、ここでもやはり「警視庁の警察官として勤務した人」という条件がある点です。

つまり、もしあなたが大阪府警で働いていて、何らかの理由で一度退職し、その後「やっぱり東京で働きたい!」と思っても、上記の警視庁の再採用選考は受けられません。

新規の「採用試験」を最初から受け直すことになるんです。

これは、キャリアプランを考える上で非常に大きなポイントとなります。

最近では、ありがたいことに他県の警察官でも再採用試験を受けられる警察本部も増えてきています。

これは非常に柔軟な動きで、一度退職した元警察官にとって朗報でしょうしかし、その場合も、再採用先の都道府県の条例が違ったり、各種手続きや必要書類が異なったりと、全くの新規採用とは異なる、独特の手間と時間、そして労力がかかります。

また、退職期間や年齢制限など、細かな条件が設けられている場合も多いので、事前にしっかりと確認が必要です。


将来を見据えて、受験先は「超慎重」に決めよう!

そして、もう一つ大事なポイントがあります。

それは、地域によって仕事の忙しさや内容が大きく変わるということです。

当然ですが、その地域の警察官の人数や、治安状況(事件の発生件数、犯罪の種類など)によって、現場の忙しさ、業務の性質、そして身につくスキルも大きく変わってきます。

都会の警察署では、事件の発生件数が多く、様々な種類の事案に携わる機会が多いかもしれません。繁華街でのトラブル対応や、組織犯罪への捜査など、より多様で刺激的な経験を積むことができるでしょう。

一方、地方では、比較的事件発生件数は少ないかもしれませんが、地域住民との距離が近く、コミュニティとの連携を重視した活動が多くなる傾向があります。

地道な防犯活動や、地域住民との信頼関係構築がより重要視される環境かもしれません。

「どこでもいいから警察官になりたい!」という気持ちも分かりますが、自分がどんな警察官になりたいのか、どんな環境で働きたいのかをしっかりイメージして、採用試験を受ける先を将来を見据えて慎重に決めることが、後悔しないための非常に重要なステップです。

安易な気持ちで受験先を選んでしまうと、

「こんなはずじゃなかった…」
「もっと〇〇な仕事がしたかった」

と、後で後悔するかもしれません。あなたの警察官としてのキャリアを左右する最初の大きな選択です。

ぜひ、多くの情報を集め、自己分析を重ね、じっくりと考えて、あなたの人生にとって最良の決断をしてください!

この情報が、あなたの警察官への道をより明確にする一助となれば幸いです。

  • この記事を書いた人

omi

小学校頃から警察官になる!と夢を追いかけ続けました。K県警察に就職し、警察学校、交番勤務、広報県民課、生活安全課と勤務。「女性警察官」ならではの悩みもたくさん経験。結婚・妊娠を機に退職し、現在はK県を離れて育児奮闘中。12年間の警察経験を女性目線のブログに。

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