地域警察官(交番勤務)

「始発出勤→爆睡→また始発」警官の新人時代は想像以上にハードだった!

2024年10月20日

【元女性警察官の激白】警察官の新人時代は「地獄の3日サイクル」!私を待っていたのは激務と寝落ちの日々だった

皆さん、警察官になったらどんな生活が待っていると思いますか? キラキラした制服姿で街を守り、事件を解決!

…なんて想像しますよね? ええ、私もそう思ってました。

警察学校を卒業すると、ピカピカの新人巡査は、まず警察署の「地域課」に配属され、いよいよ「交番勤務」がスタートします。

以前は、男性は交番勤務、女性は交通課の窓口業務…なんていう性別による違いがあった時代もありましたが、今は男女の区別なく、全員が地域課の交番勤務から始まります。つまり、私のような元女性警察官も、男性と同じように交番で汗と涙と鼻水を流していたというわけです!


「当直→非番→週休」警察官を待ち受ける「地獄の3交代制」とは?

私が勤めていたK県警察では、交番勤務の際は「3交代制勤務」というサイクルで働いていました。これが、なかなか強烈なんです。

  1. 当直日: 朝9:00から勤務開始
  2. 非番日: 翌日の9:00頃に勤務引き継ぎ後、帰宅
  3. 週休日: お休み!

このサイクルを、ひたすら繰り返すんです。例外として、東京の警視庁では4交代制をとっているんですが、私たちK県警察の人間からすると、

「警視庁の4交代制勤務って羨ましい…」
「あっちの方が絶対ラクだよね?」


と、都市伝説のように噂されていましたね。いつか、警視庁の方の本音を聞いてみたいものです…。


新人の朝は戦場!始発出勤から始まる「書類地獄」

さて、ここからは、私の新人時代の交番勤務、その壮絶な3日間の流れを大公開していきましょう!

まず、新人の朝は異常に早いです。

警察学校を卒業し、地域課交番勤務に配属されたばかりの頃、私は

毎当直日は始発で出勤

していました。自宅から片道約1時間半かけて、朝7時には警察署に到着。まだ街が静かに目覚めようとしている時間、私だけが戦場へ向かうかのように歩いていたのを覚えています。

出勤してまず始まるのが、その日当直で使う勤務簿の書類準備。各交番の勤務日誌の用紙を入れ替えたり、他の課からの連絡書類をコピーして配布したり、さらには交通違反を取り締まる際に使う「切符バッグ」を全員分準備したり…と、勤務開始前からすでに「書類の山」との格闘が始まります

ある程度準備が終わったら、ようやく制服に着替えて、自分の当直準備。そして8:30になると、その日交番で勤務するメンバー全員で会議。その後、前日の当直員とバトンタッチして引継ぎを行い、それぞれの交番へと散らばっていくのです。


交番は「警察学校・実践編」!マニュアルなんてあってないようなもの?

ようやく交番に到着! ここからが、本当の警察官としてのスタートです。

警察学校を出たばかりの新人警察官は、必ず「指導部長(巡査部長)」というベテラン先輩の指示のもと、実務について指導を受けながら仕事をします。警察学校では、基本的な法律の知識などを頭に叩き込みましたが、それだけでは正直、警察官としてはまだまだ半人前にも満たない状態です。

現場では、日々の実務を通して学ぶことが本当にたくさんあります。パトロールの仕方、職務質問のコツ、不審者への声かけ…これらには、実はマニュアルなんてほとんどありません。仮にあったとしても、現場は生き物。マニュアル通りになんて、まずいきません!

約1年間は新人巡査として、指導部長から、現場警察官の「いろは」を文字通り叩き込まれる日々でした。理論と実践のギャップに戸惑いながらも、必死に食らいついていく毎日。


「非番日」は「疲労困憊日」!?電車で爆睡して不審者と間違えられる(?)

そうこうしていると、あっという間に当直は終わり、翌日の「非番日」がやってきます。翌日の9時頃に、次の交番勤務員に引き継ぎをしてから、ようやく交代。

しかし、新人にとっての非番日は、「はい、お疲れ様でした!」でサクッと帰れる日ではなかったんです。

私たちは、交番勤務員全員の交通違反切符や、日中の書類などをまとめたり、切符バッグを回収して全員分を施錠できるロッカーにしまったり…と、当直の後処理に追われます。なので、実はなかなか帰れませんでした。

さらに、刑事課、生活安全課、交通課などの課長(警部)からの「教養」という名の研修や講話が待っていたりもして、

「え、これ、今日いつ帰れるの…?」

という状況はザラでしたね。体力も気力も底を尽きそうになるほど、非常にきつかった記憶が濃く残っています。

やっと片付けや教養などが終わって帰路に立つと、緊張の糸がプツンと切れ、電車に乗った途端、

爆睡! いや、もはや「気絶」

に近い状態でした。平日の昼間、電車でグッスリ爆睡している人を見かけたら、もしかしたらそれは、当直明けでフラフラの非番警察官かもしれませんね。そっとしておいてあげてください(笑)。


週休日は「寝て終わる日」!そしてまた始発へ…

そして、お待ちかねの「週休日」!

週休日は、それほど出勤になることはなかったかなという記憶ですが、当直では仮眠程度しかできないので、その分を週休日に取り戻すように、昼過ぎ…いや夕方くらいまで寝てました

なので、ほとんど出かけることなく、ただただ寝て終わることばかり。そして翌日は、また「始発」に乗って警察署に出勤するんです。私の新人時代の交番勤務は、まさにこんな流れでした。仕事以外の「余白」はほぼナシ。余裕もナシ!といった感じですね。


警察の働き方も、少しずつ改善中!

今考えれば、「始発で行かなくても良かったな」「勤務開始が8:30なのに、その前に勤務と見なされない残業があったな」と思うところが多々あります。ですが、平成の中盤頃はこれが当たり前だったので、とにかく「仕方がない!」と歯を食いしばって頑張るしかありませんでした。

でも、安心してください!今は「ワークライフバランスを大切にしよう!」と、こういった業務内外の無駄をなくすように、警察全体で改善が進められています。先日も、交番に関する規則の見直しがあったりと、少しずつ変化しているようです。

確かに交番勤務は、「体力的にきつい」「休みが不規則」という側面はあります。しかし、

  • 平日にも休みができる!
  • 3日に1回は休み!

という点は魅力的で、不規則な勤務形態でも、慣れてくれば「むしろ3交代制の方がいい」という方もいらっしゃいました。

勤務形態に慣れるまでは大変ですが、地域の一番身近なところで人々と接すること、いつも制服を着て外を自由にパトロールすること、そして色々な方とお話しできたところは、「これぞ警察官!」という醍醐味もあって、本当に楽しかったです!

警察官の仕事は決して楽ではありませんが、その分、やりがいと学び、そして時には「笑い」もたくさんある、そんな奥深い世界なんですよ。

  • この記事を書いた人

omi

小学校頃から警察官になる!と夢を追いかけ続けました。K県警察に就職し、警察学校、交番勤務、広報県民課、生活安全課と勤務。「女性警察官」ならではの悩みもたくさん経験。結婚・妊娠を機に退職し、現在はK県を離れて育児奮闘中。12年間の警察経験を女性目線のブログに。

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